夏の熱を群杭効果で地中に蓄熱。冬に活用


実施例
回転貫入鋼管杭工法では幸橋の橋面(約3080u),福井駅西北歩道(400u),福井県管工事組合駐車場(400u)を実施.
PHC杭プレボーリング工法を応用しセメントミルク孔を掘り,2組のUチューブ(敦賀駅前広場駐車場1600u)
更に4組Uチューブ を埋設工法も開発し,更にコストを削減している.
基礎杭兼用では橋台の3行8列24本の回転貫入鋼管杭(新清永橋1810u)
橋台のPHC杭を用いた橋面とその前後を融雪(約4840u)
杭間隔が広い建築基礎杭PHC杭でも数年経過で高温化することが分かり,基礎杭兼用化で更にコスト縮減となる.
岩盤などでは100m深さのボーリングでの孔内にUチューブでの従来の地中熱利用を深さ20mまでの行列多数本の群杭にすれば高温にでき融雪能力も向上する.




NEDOエネルギー有効利用基盤技術先導研究開発事業"技術融合による地中熱融雪システムのコスト縮減と省エネ化の研究開発"
NEDO民生部門等地球温暖化対策実証モデル評価事業"夏の太陽熱を地中に蓄えての融雪"で開発しました。
日本土木学会環境賞,寒地技術シンポジウム賞,注目発明賞を受賞

夏は毎日の蓄熱で地中全体が高温となっているので,間欠運転やゆっくり循環させて節電にしても蓄熱効果は減じませんでした。↑
ビルでのPHC杭では杭の間隔が広いので蓄熱1年目の冬には温度が拡散し,十分温度が上がらないので諦めました。1年目はダメでも,夏の蓄熱熱量が冬の融雪熱量より多いと,年数経過で次第に高温になり融雪能力が向上することが分かりました。 杭本数を減らし地中蓄熱立積を減らすと設置費が減り,冬の融雪熱量に対する夏の蓄熱量が増えて融雪能力も増える計算結果が得られました。 夏の日中ゆっくり循環させる節電と合わせた夏の蓄熱でビルのPHC杭での基礎杭兼用工法は一層実用的になりました。
マンションビルでの駐車場で電熱融雪やボイラー燃焼での融雪に比べて費用対効果にも地中温暖化抑制にも優れます。

関係研究論文 

季節間蓄熱を援用した地中熱融雪の数値シミュレーション,日本機械学会論文集B,2008,永井二郎,宮本重信,西脇昌哉,竹内正紀
熱交換杭群を用いた合成鋼床版橋での季節間蓄熱融雪の一設計,土木学会論文集G,2008,宮本重信,竹内正紀,永井二郎,菅原桂一郎
橋梁基礎杭を用いた季節間蓄熱融雪の実測と数値シミュレーション,土木学会論文集G,2011,宮本重信,永井二郎,竹内正紀,山崎三知朗,山端信也
技術融合で夏の熱,地中に貯めて融雪 の論文はこちらからダウンロードできます(file.pdf)